私がまだFXを始めていなくて、株式投資だけをやっていたトレード初心者だった頃、
自分なりに独学で勉強して、デイトレをやっていたんですが、
なかなか勝てずに苦しんでいました。
そんなときに、ふとした心の緩みなのか、出来心なのか、
投資資金の大半を、ひとつの不動産関連の銘柄に突っ込んでしまいました。
デイトレ勝負で数%でも上がれば利確するつもりだったんですが、
そんなときに限ってほとんど上がってくれず、
含み損のままに推移して、結局大引けまで待ってもプラスになってくれず、
そのまま翌日に持ち越してしまいました。
「少しでも上がってくれたら」
という気持ちだったんですが、そうした気持ちは空しく裏切られて、
翌日になったら、含み損は拡大してしまいました。
「今さら損切りできない」
なんて素人丸出しの言い訳で自分を納得させて、
とにかく上がってくれるのを待っていたんですが、
そんな淡い期待に応えてくれるわけもなく、
含み損は-10%、-20%と拡大する一方です。
投資資金のほとんどをこの銘柄につぎ込んでしまったので、
もう何もできない状態です。
他に綺麗なトレンドを描いている銘柄を見つけたとしても、
もう資金が残っていないので、エントリーできません。
ただ指をくわえて見ているしかありません。
何もしない、ただ含み損を抱えたまま、
悶々とした状態でチャートを見るだけの日々が何か月も続きました。
Yahooの株式投資に関する銘柄別掲示板で、
誰かが買い材料を書き込んでくれるのを読んでは安心して、
自分を慰めるだけの日々が何か月も続きました。
実践トレードはできなくても、チャートの勉強自体はできるんですが、
含み損が気になって全く身が入らない状態が何か月も続きました。
ひどい時には最大で資金が半分くらいに減ったと記憶しています。
つまり、-50%の含み損ですね。このくらいになった時には
もう怖くて自分の投資残高を見てなかったです。
「このまま戻らなかったらどうしよう」
「なんでもっと早い段階で損切りしなかったんだろう」
反省ではなく、ただ後悔するだけで、
全く建設的ではない、無意味な時間を浪費しているだけでした。
しかしある日、ようやく私の銘柄が急騰してくれました。
何が原因かは忘れてしまいましたが、
不動産関連の銘柄が一斉に上げていたを覚えているので、
おそらく何かしらのニュースが出たんでしょう。
久しぶりのお祭り騒ぎにようやく息を吹き返してくれましたが、
それでも買値まで戻るにはまだまだでした。
「早く上がれ!」
「もう少し頑張れ!」
祈るような気持ちでチャートを眺める日々が続き、
なんとか-10%ほどまで回復した時に、私の中で葛藤が起きました。
「買値に戻るまで我慢して、全て決済して終わらせてやる!」
「いや、せっかくここまで戻ったのに、また下がってしまったらどうしよう」
±0で終わらせたい自分と今すぐにでもこの苦しみから逃れたい自分がいました。
そして、1~2日考えた結果、私は-10%で損切りする事を選びました。
何かしらチャート上のテクニカルに基づいての損切り判断ではありません。
冷静に自分の置かれた状況を分析した上での損切り判断でもありません。
ただ、これ以上の精神的苦痛に耐えられなかっただけなんですね。
その後、この銘柄が私の買った値段まで戻ったかどうかは分かりません。
もう二度とこの銘柄とは関わりたくなったので、
登録銘柄からこの銘柄コードを削除して、
その後のチャートの動きは一切見ないようにしました。
それから数か月後、株式関連ニュースを見ていたら、
その会社は倒産して上場廃止となる事が決定していました。
多分、-10%で決済した私のその時の判断は正しかったんでしょう。
しかし、これは運が良かったとしか言いようがありません。
含み損に耐えて、その後急騰してくれたのは運が良かっただけです。
-10%まで何とか回復してくれた時に「損切りしよう」
という気持ちが勝ってくれたのも、その時の運が良かっただけです。
いろいろ悩みながらもマウスで決済ボタンを押す事ができたのも
その時の指運が良かっただけです。
もしもあの時、ひとつでも間違った選択をしていたら、、、
運が悪い方向へ向いてしまったら、、、
私の人生は大きく変わっていたでしょう。
この時の数ヶ月間の苦しみから、
私はトレードにおける2つの重大な教訓を得ました。
それは損切りの重要性とオーバーポジションの悪罪です。
“トレードにおけるオーバーポジションと機会損失について” への1件のフィードバック