トレードというものは、勝てば利益になり、負ければ損失になります。

ということは、
たくさん勝てればたくさん利益になるという
単純な発想のもと、
ほとんどのトレーダーは高勝率を求めたがります。

また、巷に溢れるFX系の広告も
勝率98.4%の手法!
負けるほうが難しい手法!
というように、
必ずと言っていいほど高勝率を謳い文句にしています。

そして、こうしたコピーライティングを見るたびに、
知らないうちに潜在意識の中で
高勝率が善
という刷り込みが行われ、
ほとんどのトレーダーは高勝率を求めたがります。

確かに勝率という一側面だけを見るならば、
高勝率が良いに決まっています。

しかし、リスクリワード比という別の側面が存在することを忘れてはいけません。

リスクリワード比とは、平均勝ちPIPS÷平均負けPIPSで求められ、
この数値が大きいほど利大を追求できていることになりますが、
逆に、
この数値が小さいほどビビりのチキン利食いをしているとも言えます。

そして、高勝率の手法ほど、リスクリワード比が小さくて
ビビりのチキン利食いをしているケースがほとんどになります。

要するに、高勝率の手法とは
コツコツ勝ってドカンと負ける
を繰り返しているわけですね。

もちろんそれでトータルで勝っていれば問題ないです。

期待値>1であれば、どれだけ高勝率でも構わないんですが
実際のマーケットに向き合った場合、
高勝率がゆえの心理的な弊害が存在することに
ほとんどのトレーダーが気づいていません。

その心理的な弊害があるゆえに
期待値>1どおりに実行することが難しくなります。

では逆に、勝率は低ければ低いほど良いのかというと
これもそうとは限りません。

同じく、低勝率がゆえの心理的な弊害が待ち構えていて
期待値>1どおりに実行することが難しくなります。

以下に、
高勝率手法のトレーダーの心理と低勝率手法のトレーダーの心理を分析してみます。
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高勝率手法のトレーダーの心理

例えば、
勝率90%で平均勝ち幅が11PIPS、平均負け幅が90PIPSの手法
を用いていたとしましょう。

この手法は期待値>1なので、
その通りに繰り返すほどに利益は積み重なっていくはずです。

では、この勝率90%の手法を用いているトレーダーの心理は
どのようなものになるでしょうか?

「9割も勝てるんだから心理的には楽に決まってるよ」
確かにそう考えるトレーダーもいるでしょう。

しかし中には、
「9割の勝率を維持し続けなければいけない」
というプレッシャーに押しつぶされそうになるトレーダーもいます。

たまたま1回負けてしまったら、
その後は9連勝しないと計算上はトータルでプラスにならない。。。

そのように考えてしまうと、
自分で自分に余計な心理的ストレスを与えることになり、
知らず知らずのうちに手法のロジックを歪曲して解釈し、
利確を本来のルールより早くして、
なんとか高勝率を維持しようとします。

そして手法本来の形から徐々に離れてしまいます。

更には、
コツコツと利益を積み重ねてきたのに、
一回の負けでその大半を失ってしまった悔しさ。

確かに利益は残っているものの、
「これまでの連勝が無駄になっってしまった」
「せっかく調子良く勝っていたのに。。。」
と落ち込むことも多いです。

どのような思考展開になるかは
トレーダー次第なので何とも言えませんが、
高勝率が必ずしも精神的に楽とは限らないんですね。

低勝率手法のトレーダーの心理

例えば、
勝率10%で平均勝ち幅が90PIPS、平均負け幅が9PIPSの手法
を用いていたとしましょう。

この手法は期待値>1なので、
その通りに繰り返すほどに利益は積み重なっていくはずです。

では、この勝率10%の手法を用いているトレーダーの心理は
どのようなものになるでしょうか?

「10回エントリーして1回勝つだけで良いんだから
 精神的には楽に決まっているよ」
確かにそう考えるトレーダーもいるでしょう。

しかし中には、
「とことん利大を目指さなければいけない」
というプレッシャーに押しつぶされそうなるトレーダーもいます。

9連敗してしまったら、
その後はそれまでの負けを帳消しにするくらいの利益を目指さないと
計算上はトータルでプラスにならない。。。

そのように考えてしまうと、
自分で自分に余計な心理的ストレスを与えることになり、
知らず知らずのうちに手法のロジックを歪曲して解釈し、
利確を本来のルールより遠くして、
なんとか高リスクリワード比を維持しようとします。

そして手法本来の形から徐々に離れてしまいます。

更には、
トレードするたびに負けてしまい、
なかなか勝てない状況にモチベーションが下がっていくでしょう。

確かに利益は残っているものの、
「いつになったら勝てるんだろう?」
「本当にこの手法で大丈夫なの?」
と疑心暗鬼になることも多いです。

どのような思考展開になるかは
トレーダー次第なので何とも言えませんが、
低勝率が必ずしも精神的に楽とは限らないんですね。
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自分に合っている勝率とリスクリワード比でトレードする

トレーダーの性格にも依りますが、
一般的には、勝率は高過ぎても駄目、低過ぎても駄目です。

どちらか一方に傾き過ぎると、
それが心理的ストレスとなるので
手法として長く用いていくことは難しいでしょう。

つまり、
勝率が高過ぎると、必要以上に勝ちに拘るようになり、
勝ち続けなければいけないプレッシャーに押しつぶされます。
逆に、
勝率が低すぎると、必要以上に利大に拘るようになり、
含み益を引き伸ばすプレッシャーに押しつぶされます。

個人的には、
勝率は、30%~70%程度、
リスクリワード比は、0.5~3.0程度

にした方が良いと思っています。

例えば、
勝率70%でリスクリワード比が0.8
勝率50%でリスクリワード比が1.5
勝率30%でリスクリワード比が3.0
という構成になっていれば手法としては健全でしょう。

「期待値>1であれば、手法なんて何でもよい。
 そこにマインドなんて関係ないでしょ」
と考えるのはリアルトレードの経験が不足している証拠です。

人にはがあるので
その通りに実行できるとは限らないんです。

自分の性格に合った勝率とリスクリワード比を見つけて
できるだけストレスのかからないトレーディングを目指しましょう。