理系人間と文系人間に分けた場合、
私は完全な理系人間です。
小学生の頃から大学生に至るまで
国語が苦手で数学が得意という傾向は変わりませんでした。
(今も変わっていませんが)
国語がなぜ苦手なのかと言うと、
もともと文章を読むのが好きでなくて、
今振り返ると学生の頃は、勉強に関する参考書以外は
本というものを一切購入した経験がありませんでした。
文字嫌いで、小説という類の本は全く興味がなく
夏休みや冬休みの宿題で出される読書感想文の時くらいでしょうか、
適当に本を選んで、嫌々読んで、
無難な感想を書いたことくらいしか記憶にありません。
学校のテストも答えがハッキリしていないのが嫌でしたね。
長文を読まされて、
「主人公の心情を答えよ」
なんて、、、何が正解なんでしょうか?
それにひきかえ、
数学は答えが決まっているから分かりやすいですね。
まだ見えていない正解に向けて
正しい公式を使い、正しい順序を辿っていき、正しい理屈で
そこにある正解を導き出せば良いだけです。
○か×か、正解か間違いかの2択であり、
国語にありがちな△なんていう曖昧な結果はありません。
不正解なら、必ずどこかに間違っている箇所があり、
そこを修正すれば正しい答えが導き出されるので、
自分も復習する際に納得できます。
このように、子供の頃から数学的思考に慣れていた私は、
不正解ならどこかに間違った箇所があり
それを修正すれば正しい答えが導き出される、
と思っていました。
しかし、、、
トレードではそのような思考は全く通用しません。
無意識のうちに聖杯探しをしていた自分
トレードを勉強し始めの頃、
とにかく答え、正解が欲しかったんですね。
「移動平均線が上を向ていれば上昇トレンドです」
↑
「具体的にどのくらいの角度なら上向きとなるのか?」
「RSIが上限に近づいたら買われ過ぎです」
↑
「具体的にどのくらいの位置から買われ過ぎなのか?」
「持合中はトレードをしてはいけません」
↑
「具体的に持合の上下幅はどのくらいの距離なのか?」
「長い下ヒゲのローソク足が出現したら上へ動きやすい」
↑
「具体的に長い下ヒゲとはどのくらいの長さなのか?」
角度、位置、距離、長さ、、、
理系気質は私は、
全て明快な “数値” で教えてほしかったんですね。
「この数値以上なら条件に一致していて、
この数値以下なら条件に一致していない」
私は頭の中で、これらを
「この数値以上なら正解で、
この数値以下なら正解でない」
というように理系的思考に変換していたんです。
今思うと愚かです。
トレードを勉強し始めの頃、
チャートの移動平均線が3次関数に見えてきて、
公式を使えば答えが導き出せるのではないかと
グラフとチャートが頭の中でゴチャゴチャになっていました。
トレードでは必ずチャートを使い、
そこにはラインが引いてあるケースがほとんどなので、
どうしても数学と似ていると勘違いしてしまい、
答えを導き出そうと、頭が勝手に判断してしまうんですよね。
連立方程式を解くがごとく、
Xに値を入れば自動でYが求まるがごとく、
トレードにも答えがあるという思考になっていたんです。
今思うと愚かです。
相場を数学として捉え、公式を使って答えを導き出せたら
どんなに楽でしょうか。
しかし、
集団心理の中で流れるように変わる相場には正解など無く、
数学のように決まった答えがあるはずもありません。
答えなんてないのに、答えを求めてしまう心理は、
まさに聖杯探しですね。
この心理を根底から変えていくのに
相当な時間がかかりました。
理系人間が陥りやすい罠だと思います。
あなたもトレードに”数学的答え“を求めていませんか?
私には文系人間の思考は分かりませんが、
トレードってどちらかというと、
文系人間の方が向いているのかもしれませんね。