米国では今年に入ってから金融引き締め政策が行われていますが、
日本では相変わらず金融緩和政策が継続しています。

米国では0.5%の大幅利上げを含め、
FOMCが開催されるごとに利上げを行うことが想定されています。

それに対して、日本ではいつまで経っても
追加緩和、円のバラマキ政策から逃れることができません。

こうした日米の金融政策の明確な違いが、
USDとJPYの通貨強弱の差を生み、
ドル円は一方的な上昇トレンドになっています。

以下はUSDJPYの月足チャートですが、
現在の価格帯は2002年5月に付けた高値水準であり、
今、為替相場に関わっているほどんどの人が
経験したことがないであろう未知の領域に入っています。
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米国だけはありません。
世界の主要国のほとんどは金融引き締めから
利上げモードになっているので、
円の独歩安がより強調される結果となっています。

円が安くなっているということは
他の通貨と比較した場合、
相対的に円の価値が低くなっていることを意味します。

相対的に円の価値が低くなっているということは
円をベースにした資産の価値が低くなっていることを意味します。

つまり、ほとんどの日本人が持っているであろう資産の価値が
目減りしていることを意味します。

円の価値が毀損している事実に危機感を持っているか?

統計によると、
日本の家計金融資産の構成比率は、
預貯金が約55%、保険・年金が約24%、株式が約10%
となっているそうです。

預貯金の割合の多さは、
世界のどの国よりもダントツで多くなっています。

そして、保険・年金と株式に関しては、
その運用先を確認すると、
国内の株式、債券が半数を占めているはずです。

つまり、日本国民の金融資産の80%近くは、
日本円をベースにしたものになっていることになります。

円安が進行している現在、
円ベースの資産ばかりを持っている事実に
危機感を覚えなければいけません。

なぜなら、先に書いたように
円の価値は低くなってるからです。

あなたは円安の対策をしていますか?
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  • JPYの価値が毀損している
  • 資産は増減するのが当たり前
  • 自分に適した資産配分をしよう

もしかして、
「円安になっても自分の生活には関係ないから」
とか思ってませんか?

いいえ、確実に私たちの生活を苦しめていますよ。

JPYの価値が毀損している

USDJPYは今年に入ってから
113円台から129円台まで上がりました。

つまり、約14%ほど上昇したわけですが、
これは円の価値がその分だけ低くなっていることを意味します。

先に書いたように、
ほとんどの日本人は円ベースの資産しか持っていません。

そして、その資産が今年に入ってからの円安で
10%以上毀損している事実を
ほとんどの日本人が真剣に受け止めていません。

物価高で100円で買えてたものが110円に値上がりすると文句を言うけど
銀行の普通預金に預けていた100万円が
円安進行によりその価値が実質90万円以下になってしまっても
文句を言わないのはなぜでしょう?

投資は危険、預貯金は安全と思っている日本人、
日本円を銀行に貯め込むことが資産を増やすこと
と思っている人が多いですが、
現在の円安では明らかに間違った思考です。

私もお金に関する勉強をするまでは
銀行口座の資産額が増えることが楽しみでしたが、
それなりのマネーリテラシーを身に付けた今となっては、
そんなハイリスクなことは怖くてできません。

資産は増減するのが当たり前

「投資は危険」「投資は怖い」
と思っている日本人は多いですけど、
銀行に日本円を預けておくことの方がよっぽど怖い
という認識を持った方が良いです。

そして、もう一つ、
資産というのはその価値が増減するのが当たり前
という認識を持った方が良いです。

それに、そもそも”投資”という表現がおかしいです。

FXで資産を増やすならば、
それは投機、投資という表現であっています。

しかし、今回の記事のテーマはあくまでも資産管理なので、
投資ではなく、自分のお金を守るための資産配分です。

どの金融商品にどれだけの資産を配分したら
増減幅を抑えつつ、コツコツと増やしていくことができるのか、
誰もが自分の生活スタイルに適した資産管理方法を学ぶべきなんです。

自分に適した資産配分をしよう

ファイナンシャル・プランナーの資格も持ってない私なんかが
アドバイスできる立場ではないですが、
少なくともドルベースの資産は持っておいた方が良いでしょう。

為替市場における通貨別取引高を確認すると、
USDが約44%、EURが約16%、JPYが約11%
だそうです。

世界で11%しか取引されていない通貨に
自分の資産を全て預けておくことはリスクが大き過ぎます。

やはり、最も利用されているドルを持っておく意義は大きいでしょう。

USDの世界的役割は年々落ちていると言われていますが、
それでも今後数十年は基軸通貨としての地位は安泰だと思われます。

有事のドル買いという格言もありますが、
世界ではJPYよりもUSDの方が何か不測の事態が起きた時には
その信用度が高いです。

以前も書いたと思いますが、個人的には
いつまでも量的緩和を続ける日銀の政策に不安を感じ
数年前からドル、ゴールド、暗号資産などに資産配分しています。

そのお陰で、コロナショックでも、今回のウクライナ戦争でも
私の資産価値は目減りしてないどころか、
大きく上がっています。

以上、資産配分のススメでした。

現在のドル円はさすがに上昇スピードが速すぎますが、
ファンダメンタルズ的には今後も上向きにならざるを得ません。

また、日本はバブル崩壊後に”失われた30年”を経験したために
多くの人の潜在意識に”預金が最も安全”と刻み込まれました。

しかし、現在の円安、政治停滞から判断すると、
もうそろそろそうした意識は変えていくべきではないでしょうか。