先週のFOMCでは、QE3(量的緩和第3弾)の実施が決定されましたね。
事実上のゼロ金利政策の継続期間も2015年半ばまで延長される事になり、
雇用情勢が改善されるまでは、現在のような量的緩和を続ける、と
バーナンキさんは言っていますね。
QE3については、以前から実施される可能性が高いとされていて、
それと関連してか、EURUSDに関しては、
7月24日につけた安値からは、現在まで1000PIPS以上も戻してきています。
それにしてもこの急ピッチの上げ方は、最近ではちょっと珍しいですね。
今回のFOMCまでの間にEURUSDに関しては、既にドル安の流れはできていたので、
今回のQE3の決定を受けて、
Buy the rumor Sell the fact
「噂で買って、事実で売れ」
という格言のとおり、一旦は天井をつけて、急落の可能性もあるのかも、
と思っていましたが、市場の反応は全く違っていましたね。
更に上げ足を速めて、押し目をつけることがない急騰が続いています。
チャート的にも買われ過ぎで、反り上がったような形状をしています。
各種オシレータ系の数値も高値圏で張り付いています。
ドル安方向へ動くのは分かりますが、
あまりにもペースが速すぎですね。
今回のQE3に関しては、オバマ大統領による選挙対策ではないか、
という噂もあるようです。
また、オバマ大統領は、
「11月に行われる大統領選挙までは欧州で危機を起こさないように」と、
各欧州首脳陣と話し合っている、との声も聞こえています。
それがEURの堅調を支えているとも言われています。
そして、QE3により今後為替市場は、
中長期的にはドル安圧力がかかる事になりますので、
USDJPYに関しては、今後もしかしたら下値を試す動きが見られるかもしれません。
そうなると、日銀の動きにも注目です。
米が追加緩和に動く中、もし日銀が緩和に消極的な姿勢をとってしまえば、
それが円高進行を招く事も考えられます。
USDJPYが下がり続けた場合、
協調介入はほぼ無理なので、単独介入を視野に入れながら、
近い将来には、緊迫した難しい展開が待っているかもしれません。
などなど、それらしい事をいろいろ書いてみましたが、
FXで利益を上げるには、こうしたニュース、イベントは特に気にする必要はない、
というのが私の見解です。
中長期的な予測、ファンダメンタルの解釈、
こうした事を深く追求しても、一生懸命勉強しても、
トレーダーにとって、特に有利になるとは限りません。
余計な中途半端なファンダメンタルの知識は、
トレードの執行を鈍らせてしまいます。
こちらの方が重大です。
テクニカル派なら、チャーチストなら、
「全ての事象はチャートに織り込まれる」
という認識で臨んだほうが良いです。
私は以前、ギリシャ債務問題等でEUR売りが続いていた時には、
EURに関してはショートばかり仕掛けていました。
しかし、トレンドが転換してEURJPY、EURUSDが上昇に転じたときにも
ギリシャ問題が頭から離れなくて、EURに関するロングエントリーを
躊躇してしまう心理状態になっていました。
それにより、トレードの執行ができなかったり、
微妙にエントリー位置が狂ったりしてしまいました。
ですので、今回のドル安トレンドも、ニュースばかりを追いかけていると、
いつか来るであろう反転したトレンドに
自分の心が、ついていかなくなる可能性が出てきます。
なので、個人的には、ファンダメンタル、ニュースに関しては、
適度に頭に入れるくらいが丁度いいと思っています。
あくまでもメインは、チャートの動きです。