中国政府が行ってきた株価維持政策が失敗?した事で世界同時株安が引き起こされ、
為替では一方的なリスク回避のドル売り、円買いの動きとなりました。
それによってドル円はドル売り、円買いの相乗効果で暴落する事になり、
先週の24日には、たった1日で6円も下げる記録的な値動きとなりました。
その後も中国政府は政策金利の引き下げ等を行った事で、
現状では中国上海市場も落ち着きを取り戻して回復傾向にあるようですが、
たとえ戻ったとしても再び売り直されて
下降トレンドをより強固なものにしてしまうという懸念もありますね。
日本でもこれまで為替介入などの人工的な操作をしてきましたが、
こうしたやり方は短期的にうまくいったとしても、長い目で見れば、
市場というのはその国の実態を表す方向へ動くようになっているみたいです。
今回は、マルチタイムフレーム(MTF)分析の観点から、
チャートパターン、及びボリンジャーバンドの形状を元に、
現時点で分かる範囲でのドル円のシナリオを考えてみます。
ドル円日足チャート
オレンジラインはWトップからのネックライン、
アクア色ラインは、今年3~5月につけたレンジ相場の下限、
赤色ラインは、去年2月につけた上昇トレンド中の一時的な安値です。
オレンジラインを割れるようなら日足レベルの上昇トレンドは終わりになるかも、
と1週間前の記事で書きましたが、
世界同時株安によってライン等は関係なく一気にブレイクしていきました。
しかし、赤色ラインまでは届かずに今度は一気に反発し、
再びオレンジラインを回復してきました。
右肩上がりの赤色ラインは200日移動平均線ですが、ここも上回ってきており、
現状ではなんとか上昇トレンドに復帰したという感じでしょうか。
中国株の動向によっては再び先週の安値に向けて
Wボトム的な動きになるケースもありますが、
まずは、オレンジラインよりも上にあり、200日移動平均線も上回っているので、
買い目線で見るべき局面でしょう。
ドル円4時間足チャート
世界同時株安時のリスク回避の動きの全貌は
4時間足チャートが最も分かりやすく捉えていますね。
-2σに沿ったスピード違反的な下落トレンドから、
最後は特大下ヒゲ陰線で安値を付けて、その後はゆっくりと回復しています。
オレンジラインは4時間足レベルの変則的なWボトムのネックラインですが、
ここも上回っており、現状は+1σに沿った巡航速度の上昇トレンドです。
よって、+1σ上にある限り、もしくは、オレンジライン上にある限りは
買い目線で見るべき局面でしょう。
ドル円1時間足チャート
1時間足レベルになると、暴落後の戻り相場がメインとなります。
オレンジラインのような上昇チャネル内での推移となっていますが、
赤色ラインが間近に控えています。
この赤色ラインは先週の高値であり、週明けの寄付き直後に付けたレートですが、
窓開けギャップダウン後の高値なので、ここも意識されそうです。
一応買い目線ですが、この赤色ラインと上昇チャネルの上限付近に近づいたら
一旦は様子見した方が良いでしょう。
デイトレとしての総合判断
急落後の戻し相場継続中ですが、日足チャート、4時間足チャート、1時間足チャート
全ての時間軸で買い優勢と判断できるので、
まずは買い目線でトレードした方が良さそうです。
その際のレジスタンスライン候補としては、
1時間足レベルの赤色ライン、そして上昇チャネルの上限でしょうか。
現状では、この2つ以外は特に気にすべきラインは存在しないようです。
では逆に、どのような状況になったら売り目線に切り替えるのかというと、
日足チャートでのオレンジライン割れ、
そして、4時間足チャートでのオレンジライン割れですね。
つまり、日足チャートでのWトップのネックラインを再び割れたら、
そして、4時間足チャートでのWボトムのネックラインを再び割れたら、
売りが有利な状況になったと判断できるでしょう。
この2つのラインは距離が近いですが、
4時間足チャートのネックラインの方が多少下に位置しているので
総合的には4時間足チャートのネックライン割れで
売り目線への切り替えとなりそうです。