一口に “トレンド” と言っても、実際にはいろんなチャート形状が考えられます。
単なる見た目でいうならば、
上昇トレンドとは時間経過とともにレートが上がっていく現象であり、
下降トレンドとは時間経過とともにレートが下がっていく現象です。
つまり、価格差を利益に変えるトレードという行為においては
上昇トレンド時にロングエントリーして、
下降トレンド時にショートエントリーした方が
利益になる確率が高くなることは言うまでもないです。
しかし、どのようなトレンドなのか、そのチャート形状を把握していないと、
エントリーする時の位置やタイミングが悪くて、
利確するまでにかなりの時間を要してしまう事もあり得ます。
場合によっては、上昇トレンドでロングしているのに、
損切りトレードの方が多くなったり、損大利小になってしまうケースもあり得ます。
そこで、効率良くトレードする為に、
そして、少なくとも勝率5割以上、リスクリワード比>1以上とするために、
今から乗るトレンドがどのような状態なのか、もしくは
今乗ったトレンドがどのような状態になっているのか、
キチンと把握しておきましょう。
トレンドの3つのパターン
チャートは二次元的に描画されるものであり、
いろんな形態のトレンドになる可能性があります。
なので、それらを全て分類する事は不可能ですが、
少なくとも以下に挙げる3つのパターンくらいは認識しておいた方が良いでしょう。
- ボリンジャーバンドの+2σに沿った急騰状態の上昇トレンド
- ボリンジャーバンドの+1σがサポートラインとなった巡航速度の上昇トレンド
- 安値切り上げ、高値切り上げの波動を伴った上昇トレンド
これは上昇トレンドの場合ですが、
下降トレンドの場合は上下対称に考えて下さい。
まずトレンドに出会った時には、
この3つのパターンのうちのどれに属しているのか把握しておきましょう。
ボリンジャーバンドの+2σに沿った急騰状態の上昇トレンド
経済指標発表で予想外の数字が出た場合や
多くのトレーダーに意識されている明確なレジスタンスをブレイクした場合などに、
このような急騰トレンドになる可能性が高いです。
急騰なので、単位時間あたりの上昇率は大きくなる傾向にあり、
乗る事ができれば最も効率の良いトレーディングができます。
+2σに沿って上昇している間は急騰という認識でよいですが、
だからといって+2σ割れでトレンド終了というわけでもないです。
その後は、
次に示す+1σに沿った巡航速度の上昇トレンドに移行する場合もありますし、
そのまま反転下落する場合もありますし、
高値圏での乱高下に移行する場合もあります。
そういった意味では次の相場展開のシナリオが立てにくい面もあるので、
できれば発生直後の初動に乗りたいですね。
トレンドの後半に行くほど、不確定要素が増えてくる印象があります。
ボリンジャーバンドの+1σがサポートラインとなった巡航速度の上昇トレンド
通常のレジスタンスブレイクだったり、一般的なトレンド発生となると
このパターンに近い動きをするケースが多いですね。
視覚的にも綺麗で分かりやすく、+1σ付近がサポートラインとなっているので、
トレード戦略も立てやすいです。
一般的には、+1σ上に位置し続けていればトレンド継続となり、
+1σを割ってきたらトレンド終了とみなします。
また、このパターンのトレンドが長く続いた後に+1σ割れに至ったら、
次は、逆向きにバイアスのかかった持合相場に移行しやすいです。
安値切り上げ、高値切り上げの波動を伴った上昇トレンド
ボリンジャーバンドには関係なく、
チャートの波形によるトレンド認識力が必要となります。
安値どうしを直線で結んで右肩上がりのトレンドラインが引ける場合は
視覚的にもトレード戦略的にも分かりやすくなりますね。
トレードする際には、直近の安値の少し下にストップを置くのが定石なので、
できるだけ直近安値に引きつけてからエントリーすると、
リスクリワード比が良くなり、期待値の高いトレードができるでしょう。
逆に言うと、直近高値抜けで即ロングエントリーというのは
リスクが高くなるケースも多いですね。
直近高値を抜けた後、レジサポ転換が確認できるような
プライスアクションをしてくれればエントリーも考えられますが、
そうでなければ、高値抜けという理由だけでのエントリーでは
あまり優位性のあるトレードはできないパターンといえます。
以上、代表的なトレンドの3パターンの特徴を挙げてみました。
トレンドのパターン認識が間違っていると、
トレンドに沿って仕掛けているのに損切りばかりとなったり、
損大利小のトレードを繰り返す事にもなりかねません。
トレンドの形状に合わせた適切な位置でのエントリー、利確、
そして、損切りを心掛けたいですね。