チャートとはその時その時の価格変動をローソク足にして
それらを並べたものに過ぎず、見た目上は単なるグラフです。
しかしながら実際のところは、
人間の喜怒哀楽の集まりであり、
“ ”
と言い換えることができます。
一般的には、
上昇トレンドでは多くのトレーダーが歓喜に沸き、
下降トレンドでは多くのトレーダーが悲嘆に暮れるわけですが、
私達はそれらと同類になってはいけません。
他のトレーダーと同じような欲望と恐怖を味わっていては
その欲望と恐怖を増幅するようなチャート形成の手助けをことになってしまいます。
他のトレーダーの欲望と恐怖は自分とは関係なく、
ただ俯瞰で眺めるのみです。
そのためにはチャートとの向き合い方、心構えを理解し、
自分の中に落とし込んでおく必要があります。
そうすれば、規律あるトレードを繰り返すことができますし、
メンタルの安定、成績の安定にも繋がります。
では、
どのような心構えでチャートと向き合っていけば良いのでしょうか?
チャートと向き合うための心構え
欲望と恐怖に支配されないよう、
トレーダーとしての最低限の心構えとして
以下のようにチャートと向き合っていきましょう。
- チャートはコントロールできない
- チャートの未来を心配しない
- チャートの理不尽を受け入れる
- チャートの全てを理解しようとしない
これらを簡単に説明すると、、、
チャートはコントロールできない
世の中には自分の力ではどうやっても変えられないことが沢山あります。
他人の性格、明日の天候、地震などの災害、等々。
これら、どれだけ努力してもコントロールできないものに、
あれこれ悩んでも解決策は見つかりません。
チャートもこれらと同類です。
どれだけ念を飛ばしてもハンドパワーを使っても祈祷師にお願いしても
チャートは自分の思惑通りに動いてくれません。
それを心底受け入れることです。
もしも、自分が持っているポジションが逆行してイライラしていたら、
それはチャートはコントロールできないという事実を
心底受け入れていない証拠です。
チャートの未来を心配しない
利確になるのか、損切りになるのか、
どちらになるのか分からない未来の出来事に
今の自分の心の平穏が乱されるなんて無意味です。
たくさん心配したら利確の可能性が高まるというのなら話は別ですが、
そんなことはありません。
エントリーした時点で利確の条件と損切りの条件は決まっているはずです。
あとはそれら2択のうちのどちらかにヒットするのを待つだけであり、
心配という心理状態は必要ありません。
チャートの理不尽を受け入れる
長くトレードしていると不運と思えるような理不尽さに頻繁に出くわします。
順調に含み益が拡大している時に不意の要人発言があり、
一気に含み損から損切りになる。
ストップにかかってしまい、仕方ないと諦めていたら、
その後再び価格が回復、仮にそのまま持ち続けていたら利確になっていたはず。
所用でちょっとパソコンの前から離れていたら、
その時に限って綺麗なトレンドとなり、結果乗り遅れた。
まるでチャートが意地悪しているかのようですが、
安心してください。みんな経験していることです。
これらの理不尽な出来事を全てひっくるめた上で
成り立っているのがトレーディングです。
そして、意識していないかもしれませんが、
幸運とも思えるような理不尽さも同程度起こっているものです。
チャートの全てを理解しようとしない
チャートというのは連立方程式のように
明確な答えが決まっているわけではありません。
どれだけインジケーターを追加しても、
どれだけプライスアクションを駆使しても、
全てを紐解くことはできません。
真面目で完璧主義な人ほど、あらゆる手を尽くして
チャートという世界を攻略しようとしますが
体力と精神力を使い果たすだけです。
そもそもチャートは全てを理解する必要はなく、
分かるところだけ、分かりそうに見えるところだけ、
簡単なところだけ、簡単そうに見えるところだけ
理解すれば良いんです。
以上、欲望と恐怖に支配されないためのチャートとの向き合い方でした。
トレードにおけるイライラは全て”期待“から生まれます。
チャートに「こうなってほしい」と期待するから、
それが裏切られた時にイライラするんです。
チャートに期待するということは、
負け試合に参加していることと同意です。
期待しなければ失望することもなく、
怒りやイライラも起きません。
期待するのではなく、やるべきことをやるだけです。