日本人にとってUSDJPYは一番馴染みのある通貨ペアですね。

 

おそらくFX初心者は、最初はUSDJPYからトレードを始める人が
多いのではないでしょうか。

 

そして、FXに限らず株式でもそうですが、
トレードという行為を投資と捉えている人も多いので、
どうしても買いでエントリーしてしまう傾向があるようです。

 

以前のような円キャリートレード全盛の時代のトレーダーが
今もどれだけ生き残っているのかは分かりませんが、
日本人というのは、いつの時代でもUSDJPYに関しては、
ロングポジションに偏る傾向にあります。

 

以下のチャート図は、6月後半から7月にかけてのUSDJPYの1時間足チャートです。
そして、そのチャートの中にその時点でのポジション比率を合わせて載せてみました。

 

これを見ても分かるとおり、全般的に買いポジションが多くなっています。
まぁ、買いポジションが多くなる事自体は、特に悪いわけではないのですが、
日本人の場合はトレンドに関係なく、常に買い傾いていることが問題なんですね。

 

昨年の後半までの数年間にわたる長期下落トレンドの最中であったUSDJPYでさえも
常に買いポジションが多かったです。

 

つまり、下がれば下がるほどロングをしていた事になります。

 

日本人に一番馴染みがあるUSDJPY
投資という意識でのロング偏重
値ごろ感覚での逆張り思考

 

このような間違った複合要因が、
USDJPYの買いポジションの偏重を生み出していると言えます。

 

こうした事を前提に、1時間足レベルという短期のポジション比率の変動を
見てみても、面白い傾向が読み取れます。
fxchart071901
6月26日時点では、売りが17%買いが83%だったのが、
その後の一方的な上昇トレンドによって
7月2日時点では、売りが35%まで上がって、買いが65%まで下がっています。

 

つまり、多くのトレーダーは、上昇トレンドになると、
売りポジションを新規に持って、既に持っている買いポジションは手仕舞う
という行為をしているんですね。

 

上がれば上がるほど売りポジションが増えていくのは、
逆張り思考のトレーダーが多くいることを示していますし、
上がれば上がるほど買いポジションが減っていくのは、
利大を目指さず、すぐに利確してしまうことを示しています。

 

このような上昇トレンドの場合、
上がれば上がるほど、ピラミッティング的に買いポジションを増やしていく事が
理想的なポジションの持ち方なのですが、
実際にはそれとは全く逆のポジション取りをしているトレーダーが
多いということです。

 

fxchart071902
先ほどの続きのチャートですが、
7月3日、4日あたりで一旦大きく下落しています。

 

7月2日時点では、売りが35%買いが65%だったのが、
大きく下落した7月4日には売りが20%買いが80%になっています。

 

つまりこの時には、先ほどの上昇トレンドとは逆で
一気に買いポジションが増えています。

 

それまでの上昇トレンドで溜まりに溜まった売りポジションのやれやれ売りと、
ようやく下げてくれたことで押目買いのチャンスと思った
トレーダーによる新規の買いでしょう。

 

しかし、この一時的な下落によって80%まで増えた買いポジションも
その後の上昇トレンドで、7月9日時点では早くも69%まで減っています。

 

皆さんすぐに利確してしまうんですね。

 

fxchart071903
先ほどの続きのチャートです。
7月11日あたりに大きく急落していますが、
これは覚えている人も多いと思いますが、
FOMC後のバーナンキ氏による発言での急落ですね。

 

この下落によって、
7月 9日時点で売り31%買い69%だったものが
7月11日時点で売り20%買い80%というように変化しています。

 

相変わらず、下がれば逆張り的に買うという行為を
繰り返している事が分かりますね。

 

ロングの立場からすると、
下がれば買う、そして、ちょっとでも上がれば利確する
ショートの立場からすると、
上がれば売る、下げれば一気に利確する
という人間の本能のおもむくままのトレードが繰り返されていることが
このチャート&ポジション比率から読み取れます。

 

・トレンド方向のみにポジションを持つこと
・そのポジションをトレンドが続く限り保持し続けること

 

トレードで利益をあげる為に必要なこの2大要素が
どれほど難しい事なのかを、上記図は教えてくれますね。