チャートを拠り所にしているテクニカルトレーダーとしては、
できるだけ”見た目が綺麗なチャート“を選択してトレードすべきです。
“見た目が綺麗なチャート“というのは抽象的な表現で
初心者の方にはピンとこないかもしれませんが、
なんというか、、、
波動が揃っていて、ランダム性が少なくて、ゴチャゴチャしてなくて、、、
言葉では説明しづらいですね(笑)
将棋でもそうです。
美濃囲いとか矢倉囲いなどは、見た目には綺麗ですが、
それと同じような感覚でしょうか。
将棋を覚えたての頃、美濃囲いを綺麗だとは思いませんでしたが、
今では綺麗だと認識できるようになったという事は、
それだけ数多くの局面を見てきたからなんでしょう。
それと同じで、とにかくチャートを見て慣れていって、
その綺麗さ、美しさを肌で感じることが必要だと思います。
先日、ECB理事会が行われましたが、
利上げ時期に関しては少なくとも来年の夏以降になる
と表明したことでユーロが暴落しました。
今回のように、
イベントを起点として暴騰、暴落が起きた後というのは、
基本的にはチャートは汚くなります。
チャートが汚いとは、
波動が乱れて、ランダム性が増して、ゴチャゴチャして、、、
となりやすいので、
テクニカルも効きにくくなり、トレードも難しくなります。
そのあたりのユーロドルの状況を
マルチタイムフレームを使って分析してみます。
ユーロドルの日足チャート
5月は綺麗な下降トレンドでしたが、
6月に入ってからは調整で戻しつつありました。
しかし、先のECB理事会でユーロが暴落して、
直近の安値付近まで再度下落しています。
200日移動平均線も約1年ぶりに下向きに傾斜してきました。
現価格は-1σ以下にあるので、売り優勢との判断になりますが、
スクイーズ状態を経ていないので、
5月のような、-1σ以下の下降トレンドとなるのかについては
個人的には懐疑的に思っています。
ユーロドルの4時間足チャート
テクニカル的にはスクイーズからエクスパンションへの移行
と認識できます。
ECB理事会後は-2σに沿っての急落でしたが、
前回安値の赤色ラインに届かずに-1σを越えようか、
という状況です。
このまま-1σを越えるようなら、しばらくは、
多少上向きのバイアスのかかったレンジ相場への移行が想定されますが、
現状はまだ下目線です。
ユーロドルの1時間足チャート
1時間足チャートだとECB理事会後の動きがハッキリ分かりますが、
1日足らずで300PIPSほども下げています。
その後は週末だったこともあってか、
ポジション調整で戻していますが、
この流れが次週以降も継続するかはもちろん不明です。
一応、価格は+1σ近辺に位置しているので、
とりあえずは買い目線ですが、
チャートを俯瞰的に見ると、売り優勢と判断せざるを得ないですね。
ECB理事会以降、波動が乱れていて、
いわゆる”チャートが汚い“状態なので、
本来なら、あまり手を出したくないです。
デイトレとしての総合判断
日足チャートでは、-1σ以下にあって売り優勢だが下降トレンドになるかは不明
4時間足チャートでは、急落は終わるもまだ-1σ以下なので売り優勢
1時間足チャートでは、調整での戻りが継続中
となっており、
総合的な判断としては、イベント後の暴落の余韻が残っており、
あまり綺麗なチャート形状ではないですが、
マルチタイムフレーム的には売り目線にならざるを得ない局面です。
ポイントとしては、4時間足チャートで示した
レンジ下限のオレンジラインで
このラインの下に価格が位置しているうちは
デイトレでは戻り売りをメインで考えたいです。
しかし、オレンジラインまでは距離があるので、
1時間足チャートで+1σ上に価格が位置していれば、
短期的にロングを狙っていくこともできるかもしれませんが
確度は低そうです。
マルチタイムフレーム的に買い優勢といえるのは
少なくとも4時間足チャートでのオレンジライン越え、
できれば、ECB理事会後の反応を否定するピンク色ライン超えとなれば、
明らかに買い優勢と言えるでしょうが、
それまでにはまだ時間がかかりそうです。