FXにおける手法の勉強というと、どうしても
複数のテクニカル指標を組み合わせて、勝てる確率を高くする事
と思っているトレーダーが多いようです。

 

まぁ、確かにそのような一面もありますので、
その考えを全て否定するつもりはありませんが、
勉強の方向性としては、本道とはいえないでしょう。

 

しかし、市販されているFXの参考書などでは、
テクニカルの解説ばかりがされているものが多いですし、
勉強というと、やはり本を見ながら、というのが一般的ですので、
どうしても、見た目にも分かりやすいテクニカルに走りがちです。

 

例えば、移動平均線が上昇していて、陽線が出現していて、
MACDがゴールデンクロスになったらエントリー、
というような、誰にでも分かる条件の元でエントリーして、
その後、所定の条件がきたら手仕舞いする。

 

FXの情報商材の手法でも、個人の手法でも、
このような画一的な条件を求めてしまいます。

 

そして、その条件をそのまま実行する事が勉強であり、
努力だと思っています。

 

しかし、よく考えてみると、
こうした状態って何も努力していませんよね。

 

ただ与えられた、決められた条件をそのまま実行しているだけのことであり、
そこには努力に相当するものはありません。

 

FXの情報商材の手法であれ、個人の手法であれ、
ただ固定の条件をそのまま実行している状態は努力でも何でもないです。

 

FXの勉強とは、決められたことをそのまま実行することではないです。

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これを野球で例えるのなら、バッティングコーチから、
外角低めのスライダーを打ちなさい
と指示されて、それをそのとおりに実行しているような状態です。

 

何も考えず、外角低めのスライダーがきたらバットを振る
というような事を繰り返していても、
ヒットを打てる確率は上がってきません。

 

重要なのは、そこに至るシナリオを立てることです。

 

例えば、1点負けていて、9回の裏、1アウト、
走者1塁3塁でバッターボックスに立ったとします。

 

そこで優秀な選手ならば、自分なりのシナリオを立てるでしょう。

・1点負けているから外野フライも許されないので、ここは低めしか来ないだろう
・3塁走者がいるから、フォークは投げづらいだろう
・次のバッターは最近調子が良いので、必ず私と勝負してくるだろう
・このピッチャーは今日スライダーの切れが良いから
 ストライクを取りにくるときは、おそらくスライダーを投げるはず
・もし、1球目内角に見せ玉を投げるようなら、2球目は外角に投げるか
・もし、2球目が外角低めのスライダーだったら、
 1,2塁間が空いているから流し打ちしてみよう

というように考えます。

 

そして、シナリオ通りの展開になったらバットを振ります。

 

こうしてヒットになる確率を高められるようなシナリオを
自分で考えていく事が努力
だと思います。

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外角低めのスライダーを打ちなさい
と指示されて、ピッチングマシンで、外角、低め、スライダーを設定して、
予め球種、コースが分かっているボールを振ることは、
ある程度の練習にはなるかもしれませんが、
それだけで本番に通用するかどうかは疑問ですよね。

 

これはFXで、
A条件、B条件、C条件が満たされた時にエントリーしなさい
と指示されて、それを予め未来が分かっている過去チャートで、
エントリーする場所を確認している作業と同じです。

 

これもある程度の練習にはなるかもしれませんが、
それだけで本番に通用するかどうかは疑問ですよね。

 

ここには、心理的変化、場面の状況把握、それに基づくシナリオが
全て欠け落ちています。

 

外角低めのスライダーがきたらバットを振るんではなくて、
外角低めのスライダーというシナリオを立てて、
そのとおりになった時にバットを振ったらヒットになる確率が高い、
という状況判断ができることが重要です。

 

A条件、B条件、C条件がきたらエントリーするのではなくて、
A条件、B条件、C条件というシナリオを立てて、
そのとおりになった時にエントリーしたら期待値が1以上だろう
という状況判断ができることが重要です。

 

A条件、B条件、C条件が共に満たされた時にエントリーしなさいといわれて
それをそのまま実行しているのは自動売買と一緒です。

 

相場の流れと一致していれば勝てますが、
相場の流れに合わず、たまたま条件が一致しただけ、
という場合は勝てません。

 

では、状況判断ができるようになるにはどうしたら良いのか、、、

 

それは、このブログで何度も書いている
チャートの形状や通貨の力関係、マルチタイムフレーム分析など、
数字にできない部分の裁量判断の能力を鍛える事
です。

 

それが適切な努力の方向性だと思います。