Myfxbookというサイトをご存知でしょうか?
このサイトに登録して、EA(自動売買)ソフトの設定を行うと、
そのEAの成績の推移、及び、損益状況を
視覚的に分かりやすく管理する事ができるようになります。
私もこのMyfxbookに登録しており、
そこに自作EA、及び、購入したEAを設定していて、
週末にはEA毎の成績を分析するようにしています。
そして、このサイトでは、
EA毎に公開 or 非公開を選択する事ができるようになっていて、
もし、公開しているEAならば、自分以外の他人のEAの成績を確認できますし、
逆に、公開している自分のEAの成績を他人に見せる事もできます。
実は数か月前に、ナンピン、マーチンゲール型EAの紹介、
及び、購入を勧めるメルマガが来ていました。
ナンピン、マーチンゲール型EAの危険性を理解している私としては、
当然スルーでやり過ごすつもりだったんですが、
そのメルマガの中にURLでリンクが張ってあって、
Myfxbook上でそのEAの成績が公開されていたので、
興味本位でクリックして覗いてみました。
すると、、、思った通り、”見た目には”
右肩上がりに利益が増えていく綺麗な収益曲線を描いていました。
しかし、その時は特に何の反応もすることなく、
それだけでページを閉じたんですが、
先々週、メールソフト内を整理していたところ、
再びそのメールに気づき、再度Myfxbook上の成績を確認したところ、
面白い事になりそうだったので、その時の画像を保存しておきました。
それが以下です。
EAの開発者様、そしてEAの紹介者様の名誉のためにも
どのEAなのか特定できないように余計な情報は省いて
まずは収支曲線の推移だけをお見せします(クリックで拡大)
上記には赤色グラフで表示されている[Growth]と、
黄色グラフで表示されている[Equity Growth]がありますね。
それぞれどんな意味なのかというと、
[Growth]は、決済まで終わった全トレードの収益曲線
[Equity Growth]は、現在保有中のポジションも含めた収益曲線
です。
上記では、赤色グラフの[Growth]は、約10%のプラスとなっており、
黄色グラフの[Equity Growth]は、約-5%のマイナスとなっていますね。
つまり、上記グラフを解釈すると、
決済まで終わったトレードの収益を合計すると、
これまでは、元本から+10%の増加となっているが、
現在保有しているポジションの収益も合算すると、
これまでは、元本から-5%の減少となっている
という事を意味しています。
つまり、トレーディングの行為としては、
収益がプラスになったトレードは早々に手仕舞いし、
収益がマイナスになっているトレードは手仕舞いせずに
ただひたすら決済を引き延ばしている
という事を意味しています。
この2つのグラフのうち、どちらが重要なのかというと
もちろん黄色グラフの[Equity Growth]の方で、
現在保有中のポジションも含めた収益曲線の方を見るべきです。
単一ロットで動かすEAの場合、つまり、
単純にエントリーと決済を順番に繰り返すEAの場合は、
この2つのグラフは、ほとんど重なるはずなので、
その違いを気にする必要はないんですが、
ナンピン、マーチンゲール型EAの場合、自分に不利な状況になると、
どんどんポジションを追加して、どんどんロット数を増やしてくので、
上記のように2つのグラフに大きな差が出てきてしまうんですね。
先に「”見た目には” 右肩上がりに利益が増えていく」と書きましたが、
これは上記の赤色グラフの事を指しています。
数か月前、最初にこのグラフを見た時に
赤色グラフと黄色グラフの乖離、
そして、赤色グラフの異常なほどの安定した推移を見た時に、
これは典型的なナンピン、マーチンゲール型EAだと分かったので、
私は興味を持つ事なくスルーしたわけです。
上記のグラフの最新日は、先々週の6月17日(金)となっていますが、
その1週間後、つまり先週の6月24日(金)には
歴史に刻まれる1日になった英のEU離脱の是非を問う国民投票がありました。
結果については、もう皆さん知っての通り、
事前予想とは反対のEU離脱派の勝利となった事で、各金融市場は大混乱、
相場は一方的なリスク回避の動きとなり、
EURJPYは直近の高値から1200PIPSほども下げ、
GBPJPYに至っては直近の高値から2700PIPSほども下げる
超高ボラティリティ相場となりました。
英国民投票のようなイレギュラーな超重要イベント時には
EAなどの自動売買は、全て止めておくのがセオリーです。
しかし、上記のEAは溜め込んだロット数を手動で決済しなかったようで、
含み損のポジションを抱えたまま、英国民投票の日を迎えました。
私が翌日の6月25日(土)に再び上記EAの収益曲線を確認しに行くと、、、
次回に続きます。
“収益曲線からナンピン、マーチンゲール型EAを見分ける” への1件のフィードバック