HUNTER×HUNTERというアニメには、ネテロ会長という人物がいます。
既に100歳を超えているんですが、武術の達人であり、
アニメの登場人物の中ではトップクラスの強さです。
そのネテロ会長が若かりし頃(とっても40代ですが)、
まだそれほど強いわけでもなく、無名の武道家だったんですが、
自分の肉体と武術に限界を感じて、山にこもった時期がありました。
そして、悩みに悩み抜いた先に、彼がたどり着いた答えは、、、
でした。
ここまで自分自身を育ててくれた「武道」への限りなく大きな恩。
それを少しでも返そうと思い立ったのが、
「1日1万回の感謝の正拳突き」
でした。
それから彼は、雨の日も風の日も雪の日も、ひたすら山奥で
感謝の祈りをささげながら、ただ正拳突きだけを繰り返します。
最初は1万回の正拳突きをやり終えるのに、丸1日かかっていましたが、
数年後には僅か1時間程度でやり終えるまでに成長します。
そしてその後、人間離れした驚異的な武術の達人として名をはせる事になります。
私は武道の事は全く詳しくはないのですが、
多分、正拳突きというのは、基本動作といえる部類に属するものでしょう。
しかし、基本動作である正拳突きでも、それを毎日繰り返し練習していけば、
その分野の達人になるまでに成長する事ができるんですね。
この回のアニメを見た時、ドラゴンボールでのまだ孫悟空が子供だった頃の、
亀仙人の元での修行のエピソードを思い出しました。
孫悟空とクリリンが亀仙人の弟子になって修行をつけてもらいます。
二人はどんな技を教えてもらえるのか、楽しみにしていたんですが、
やった事というと、何十キロもある亀の甲羅を背負って、
毎朝、山の頂上にある民家まで牛乳配達をする、
という修行でした。
これを毎朝繰り返すだけで、特に技を教えてもらうような事はありませんでした。
孫悟空とクリリンは修行内容に不満を感じて、亀仙人に文句を言いますが、
「亀の甲羅を外してジャンプしてみろ」
と言われ、そのとおりにしてみると、
二人は気づかないうちに何十メートルもジャンプできるようになっていました。
何十キロもある亀の甲羅を背負って、毎日山を上り下りする事は、
足腰を鍛える基礎体力の向上が目的でしょう。
このような基本的な事でも、それを毎日繰り返していけば、
人間離れした驚異的な脚力を身に付ける事ができるんですね。
まぁ、どちらもマンガ、アニメの世界の話ですけどね。
でも、言わんとしている事は理解できませんか?
基礎練習の意味をはき違えていませんか?
どの分野でも同じだと思いますが、基礎練習が最も重要です。
基礎=簡単、ではないです。
基礎=軽視、ではないです。
基礎=重要、です。
基礎=反復、です。
基礎はできたらそれで終わりではなく、体と頭に染み込ませるものです。
基礎はクリアする事が目的ではなく、繰り返す事が目的です。
アニメではなく現実世界の中でも、例えば野球の場合は、
バットを振ったり、キャッチボールをしたりする事が基礎練習と言えるでしょう。
では、正しくバットを振る事ができるようになったら、
試合本番以外では、バットを振る必要はないんでしょうか?
正しくボールをキャッチできるようになったら、
試合本番以外では、ボールを握る必要はないんでしょうか?
こうした練習に終わりという概念はありません。
別の例えをいうと、
カードマジシャンだったら、とにかく毎日カードに触り
手に馴染ませる事が基礎練習といえるでしょう。
それこそ、食事中でも、寝ている時でも常にカードを触って、いじりまくり、
カードが体の一部という感覚になるまで、
細胞レベルでつながっているという感覚になるまで、ひたすら触りまくれば、
その後、人間技とは思えないほどのテクニックを披露できるまでに
成長できるようになります。
私の好きな将棋でいうならば、詰将棋を解くことが基礎練習にあたるでしょう。
とにかく、3~5手詰めの簡単な詰将棋を毎日何十何百と解き続けます。
始めのうちは、一手ずつ順番に詰め手順を考えていくでしょう。
でも、こうした基礎練習を繰り返していくと、
そのうち詰将棋の問題図を見た瞬間に、
理屈抜きでパッと詰め手順が閃いてくるようになります。
例えを挙げたらきりがないですが、専門色の強い分野ほど、
基礎練習は重要であるという印象があります。
そして、もしもスランプに陥ったとしても、基礎練習を繰り返す事で、
スランプ脱出のきっかけにもなってくれる、
その分野の本質、土台を気づかせてくれる重要な要素でもあります。
では、FXにおける基礎練習って何でしょうか?
FXで頭と体に染み込ませるべきもの。。。
毎日繰り返すべきもの。。。
スランプに陥った時の拠り所とすべきもの。。。
デモトレードを繰り返す事?
テクニカルの参考書を読み返す事?
これまでのトレード履歴を振り返る事?
トレーダー毎に意見は違うと思いますが、
私の場合は、”ライン引き” でしょうか。
チャートを見て、下値支持線、上値抵抗線、トレンドラインを引く。
いろいろな時間軸、いろいろな通貨ペアで、
とにかくラインを引く事が、私にとってのFXでの基礎練習です。
毎日必ずやっており、ここ数年は1日たりとも欠かしたことはないでしょう。
そのおかげなのか、今ではチャート図を見た瞬間に
理屈抜きでパッとラインが見えてくるようになっています。
これは私にとって、
FXに対峙するときの優位性の一つとなっていると言えるでしょう。
私もネテロ会長を見習って、
ここまで自分自身を育ててくれた「FX」への限りなく大きな恩。
それを少しでも返す為に、
「1日1万回の感謝のライン引き」
でもやろうかな。
無理か。。。