FXではドテン(漢字では途転と書きます)という注文方法、トレード方法がありますね。
簡単に説明すると、
現在持っているポジションを決済するのと同時に、
今度は逆のポジションを持つことです。
例えば、
現在ロングポジションを持っていて、チャートが天井付近だと思った場合、
そこで手仕舞いして、今度は逆にショートポジションを保有して、
その後に起きるであろう下落トレンドも利益にしようとする行為です。
または、ロングポジションを保有したのはいいが、思惑通りに推移せず、
下降トレンドになってしまい、損切り手仕舞いとなってしまったが、
それと同時に今度はショートポジションを保有して
今起きている下降トレンドから利益をとろうとする行為です。
勝っているトレーダーの中には、このように自分のポジションを
チャートの動きに合わせて縦横無尽に自由自在に操り、
あらゆる相場状況から利益を獲得している人もいるでしょう。
素晴らしいですね。尊敬します。
しかし、私にはできません。私はドテンはしません。
私は大きな時間足の方向性を重要視しており、
マルチタイムフレームを利用した順張りトレードを基本方針としています。
つまり、大きな時間足の方向にしか仕掛けないという方針です。
大きな時間足が上昇トレンドなら、ロングしか狙いませんし、
大きな時間足が下降トレンドなら、ショートしか狙いません。
ドテンとは、ある意味ではトレンドに逆らう行為と言い換えることもできます。
例えば、上昇トレンドと判断してロングポジションを持ち、
そこからある程度時間が経過して、ポジションを解消した場面が
既に下降トレンドになっている事は、通常では有り得ません。
通常のトレンド転換というのは、
上昇トレンドだったチャートの形状から徐々に下げていき、
それによってトレンド不明状態になり、更に下げる事で下降トレンドというように
判断できるようになります。
つまり、上昇トレンド⇒下降トレンドではなく、
上昇トレンド⇒トレンド不明⇒下降トレンド
という経緯をたどるのが普通です。
自分が上昇トレンドと判断し、そこでロングポジションを取り、そこから利益が伸び、
ある程度の反落を確認した段階で利確した場面、チャートの形状というのは、
もちろんチャート的には上昇トレンドのままです。
もしくは、
自分が上昇トレンドと判断し、そこでロングポジションを取り、そこから利益が伸びず、
ある程度の反落を確認した段階で損切りした場面、チャートの形状というのは、
まだまだチャート的には上昇トレンドが残存しているのが普通です。
ですので、大きな時間足に沿って行動する方針であるならば、
手仕舞い後、逆向きのポジションを持つことは、
大きな時間足に逆らったポジションになるはずなので、
私にとっては、ドテンという行為は有り得ません。
私の場合、デイトレという時間枠でトレードを行う場合、
例えばロンドン時間にEURUSDのロングを仕掛けて、
その後、NY時間でEURUSDのショートを仕掛けるということはあります。
しかし、それはドテンという意味合いではなく、
あくまでも大きな時間足が上昇トレンドから下降トレンドへ変化した為に、
マルチタイムフレーム的に仕掛ける方向が変わったという認識ですので、
時間的な間隔も考慮して、この行為はドテンとはいいません。
と、ドテンについて私なりの見解を書いてみましたが、
だからといって、ドテンという行為をやってはいけないとは思っていませんし、
もちろんFXをやる上で優位性のない方法だとも思っていません。
例えば、大きな時間足がボックス圏の相場と認識できて、
その上限までロングポジションを持って、上限まで達したらそこで利確して、
今度はショートポジションを持ってボックスの下限まで目指すというトレードは
全然有りですし、実際にそうしたトレードを得意としているトレーダーも
いらっしゃるかと思います。
ただ、私がドテンという行為が苦手なだけです。
ドテンを使った明快な優位性のある手法を持っていないだけです。
FXの情報商材を見ても、ドテンを推奨したり、
ドテンを手法の一部にしているものはあまり見かけませんね。
そうした影響もあってか、私自身はドテンについては現時点では消極的です。
でも初心者の頃は結構やっていました。
買って駄目なら売ってみて、それでも駄目ならまた買って、、、
もちろん往復ビンタです。
これほどメンタルを傷つけられる行為はないですね。
私は大きな時間足が上昇トレンドなら、その間はロングだけです。
たとえ利確で終えても、損切りで終えても、
次のトレードに関しては、大きな時間足が上昇トレンドである限り、
トレンド不明状態にならない限り、ロングしか狙いません。
こうして方針を決めてしまえば、トレードに迷いも生じなくなり
精神的にも楽になりますよ。
私は「今はロングなのかショートなのか」で迷う事はないです。
「今はロングなのか見送りなのか」
「今はショートなのか見送りなのか」
常にこう考えています。