FXで利益を上げるには、5分足や1分足をメインにしたスキャルピングが
最も効率的と言えるでしょう。
時間軸が短いため、ローソク足が次々と形成されていき、
その分、小刻みな波動もたくさん形成されていきますので、
トレードチャンスも多くなっていきますね。
ポジポジ病患者のFX初心者さんには、打ってつけの手法といえますが、
もちろん都合の良い事ばかりではありません。
デイトレやスイングでは全く気にする必要のなかった事が、
時間軸が短いスキャルピングを行う際には、
心に留めておかなければいけない注意点として表面に出てきてしまいます。
今回はそうした注意点をご紹介します。
テクニカルに走る以前に、以下のような注意点を理解しておき、
それでもスキャルピングを試してみたいなら、是非チャレンジしてみて下さい。
ローソク足一本分の価値はほとんどない
例えば、日足はその日の出来事を全て織り込んだチャートであり、
多くのトレーダーによって参照されているチャートでもあります。
チャートというのは、見ているトレーダーが多ければ多いほど
その重要性は増していきます。
なぜかというと、多くのトレーダーに見られることで、
そのチャートのローソク足の高値や安値などが
抵抗線や支持線として意識されてくる割合が増えてくるからです。
多くのトレーダーによって意識されると、
そのポイントで何かしらのアクションを
仕掛けてくるトレーダーの割合も増えていき、
その結果、チャート上のテクニカルも効きやすくなっていきます。
そういった意味では、日足~1時間足くらいまでは、
テクニカルが機能しやすいといえるでしょう。
それに対して、1分足チャートでのローソク足一本一本には、
ほとんど意味がありません。
大多数のトレーダーは、1分足チャートのローソク足なんて見ていませんので、
その高値や安値なども意識されていません。
単純に考えて、
1分足のローソク足が 60本×24時間=1440本 集まって、
日足一本分のチャートが出来上がります。
つまり、1分足のローソク足の価値なんてものは、
日足のローソク足の1/1440くらいの価値しかないと認識しておきましょう。
よって、ほとんどのトレーダーによって意識されていない1分足では、
どうしてもテクニカルは効きにくくなってしまいます。
チャートのノイズが大きくなる
5分足チャートならまだしも、1分足チャートの場合は、
無意味なノイズの影響が大きくなってしまいます。
特に、トレンド状態ではない時の動きは、
ほどんどランダムといって良いでしょう。
にも関わらず、ほとんど動きのない状態の時に、
移動平均線がゴールデンクロスしたから、
RSIが買い過ぎを示しているから、
ボリンジャーバンドが拡大しているから、
などと分析しても、全くの無意味です。
ランダムな動きの中で、“たまたま”テクニカル指標がそのように指し示しただけで
その分析にはほとんど価値はないでしょう。
判断時間が短くなり、ミスが発生しやすい
1分足でのスキャルピングの場合、当然ながら判断に要する時間は1分間だけです。
考えている間にも、最新のローソク足は、
どんどんその実体部分を伸ばして、新たなローソク足を形作っています。
そして、1分以上も分析に時間を要していたら、
もう次のローソク足が生成されてしまっています。
つまり、考える時間がとても限られています。
たとえ、自分の売買ルールを持っていたとしても、短い時間で慌ててしまうと、
正確に判断できない場合もありますし、ミスが発生しやすくもなりますし、
判断が遅れれば遅れるほど、自分の売買ルールから逸脱してしまいます。
スキャルピングには、テクニカルだけではなく、とっさの判断力も要求されます。
スプレッドの影響が大きくなる
スキャルピングは少ない利幅をコツコツ積み重なる手法なので、
利益に占めるスプレッドの割合が大きくなってしまいます。
例えば、通常のデイトレで20PIPSの利幅がとれたとしましょう。
その際、スプレッドが2PIPSだとしたら、
利幅に対するスプレッドの割合は、10%となりますね。
それに対して、スキャルピングで5PIPS思惑通りに動いたとしましょう。
その際、スプレッド分の2PIPSが差し引かれると、
利益は3PIPSとなってしまいます。
利幅に対するスプレッドの割合は、40%にも及んでしまいます。
抜き幅に占めるスプレッドの割合は、
10%と40%という大きな違いとして表れてきます。
このスプレッドの影響は軽視する事はできません。
どういう事かというと、
デイトレで20PIPS抜く事は、スキャルピングで5PIPS抜きを4回するのと同じ、
ではなくて、
実益の18PIPSと3PIPSの方を比較する事が重要で、実際には6倍の差があり、
デイトレで20PIPS抜くことは、スキャルピングで5PIPS抜きを6回するのと同じ、
となります。
つまり、同じ利幅を獲得するにも、スキャルピングの場合には、
その分余計にトレード回数を増やさなくてはいけない事になります。
トレード回数を増やすという事は、
その分余計に時間がかかりますし、その分余計に集中力もいります。
また、スプレッドの1,2PIPSの差が、トータルで見ても、
かなりの利幅の差となって表れてきます。
例えば、1日10回スキャルピングするとしましょう。
1ヶ月では、20営業日で、200トレード行う事になります。
となると、スプレッドが2PIPSと1PIPSとでは、
1回のトレードで1PIPSの利益の差が出てくるので、
1ヶ月のトータル200回のトレードでは、
200PIPSも利益が違ってくる事になります。
これってかなり大きな問題ですよね。
ですので、できるだけスプレッドの小さいFX会社で
スキャルピングをするようにしましょう。
またその際には、約定力も重要です。
一瞬のタイミングを計るスキャルピングにおいて、
いざ注文を入れてみたら、それが度々はじかれる、
という現象が起きてしまっては、
精神的なダメージも大きくなってきて、継続的なトレードは難しいでしょう。
チャートを見続ける集中力が続かない
私は以前はスキャルピングをやっていましたが、
今ではメインではやっていません。
なぜかというと、疲れるからです(笑)
単純に、2,3時間ずっと
チャートを見続けるだけの集中力が続かなくなってきたからです。
自分で言うのもなんですが、
私はスキャルピングをやれば利益が出ることは分かっています。
しかし、これをメインしてしまうと、
体力が続かない、目が疲れるといった悪影響が積み重なってきて、
長期的に継続的にトレードができない可能性も出てきてしまいます。
よって今では、15分足チャートをメインにして、
時々チャート画面を確認するというトレードスタイルになっています。
以上、スキャルピングを行う際のテクニカル以前の注意点を書いておきました。
上記のような注意点がありますが、別の言い方をすれば、
これらを全て把握して、克服、対処できるのなら、
スキャルピングほど効率の良い手法はありません。
私はスキャルピングはどちらかというと苦手ですが、
だからといって、あなたにスキャルピングをしてはいけない、
と言うつもりは全くありません。
トレードを行う人の性格によっては、
スキャルピングが最も向いているトレードスタイルである
という可能性もありますからね。
しかし、時間軸が短くなるにつれてトレードが難しくなることも事実です。
上記の注意点を踏まえた上で、それでもなおスキャルピングに挑戦したいなら、
是非デモトレードから初めて、自分の可能性を試してみて下さい。